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所要時間
放置してたのを数ヶ月ぶりに発見して仕上げたから、わかんない。 解説とか レジーナの試験を書きたかった。 「試験終了時とメールの温度差の理由=爆撃機直撃でレイヴン生活早々借金」の脳内設定を発展。 レジーナの一人称が「あたし」なのは強気な性格っぽいという脳内補完から。 トルーパーと女性医療スタッフは単なる同級生程度の関係かな。不倫とかじゃありません。 レジーナのメールの内容がうろ覚え。間違ってるかも。 PR |
「はい、準備できたわよ。あ、あとこれ。ACの請求書みたい。」
医療スタッフはそう言って、あたしに端末と書類を渡す。 寝ながらでも操作できる小型端末だが、病室だからか有線接続だ。 「ありがとうございます。」 「じゃあ寝るの遅くならないようにね。おやすみなさい。」 「はい。おやすみなさい。」 あたしは去り際の医療スタッフにそう返した。 「ACの請求書?何だろ。」 あたしは書類に目を落とす。 [修理内容:全パーツ交換(全パーツ分の修理費用が発生)] [修理費用:コーテックス規定の対象外の状態のため、レイヴン負担。] [補足事項:リミッター解除状態のACの修理は当社では受け付けておりません。今回は例外的に修理のみを実施いたしました。] 「冗談じゃない・・・」 あたしは思わず声を漏らす。 初期機体はACの中では比較的安価だが、それでも一般人には高額商品だ。 それがレイヴン活動開始直後に全額負担、頭が痛い。 (いきなり借金生活かぁ・・・) そんな思い気持ちで端末を操作し、メールを送信して、あたしは寝た。 [TITLE:礼] [爆撃機を撃墜したのはあなただと聞いた。] [とりあえず礼はしておく。] ~Fin~ |
「レジーナちゃん、具合はどう?」
「もう元気です。あとあたしもう子供じゃないんだから、"ちゃん"付けで呼ぶのやめてください・・・」 「そう。一応検査して問題なければ退院だね、レジーナちゃん。」 「だから・・・!」 「ふふ、それだけ元気があれば大丈夫そうね。何か聞きたいことはある?」 「じゃあ一つだけ。」 あたしは少しを間を空けて続ける。 「あたしの試験の妨害をしようとした爆撃機を撃墜したレイヴンってどんな人ですか?」 「うん?あの人はレイヴンになって日が浅いけど活躍がすごいわね。アリーナもどんどん勝ち進んでるの。」 「連絡先とか、わかりますか?」 「わかるけど、寡黙な人だから返事とか期待できないわよ?」 「それでもいいんです。一言お礼を言いたいだけなので。」 「そう・・・じゃあちょっと待ってね。」 そう言って医療スタッフの女性はメモに連絡先を書いて私に渡した。 「ありがとうございます。」 「いえいえ。今日はもう遅いから、検査は明日にしましょう。」 「はい。あ、もう1つ聞いていいですか?」 「何かしら?」 医療スタッフは不思議そうにあたしの顔を覗き込む。 「メールがしたいんですけど、端末か何か借りられませんか?」 「いいわ。じゃあちょっと待っててね。」 医療スタッフはそう言って部屋を出た後、すぐ戻ってきた。 「今準備するから待っててね、レジーナちゃん。」 「だから"ちゃん"付けで呼ばないでってば・・・」 しかし医療スタッフは端末の接続作業に集中し、聞く耳を持たない。 |
~
「お父さん・・・」 「目を覚ましたのかレジーナ!どうしてこんなことに・・・」 耳元でお父さんの大声が聞こえる。 「お父さん!?」 驚いてあたしは飛び起きた。 周りを見渡すと質素な部屋。 「なんでレジーナがレイヴンなんかに・・・」 お父さんが頭を抱えている。 「お父さんに会いたかったから。それだけで納得しない?」 「だからって、こんな危険なことに手を出さなくていいじゃないか!!」 「じゃあなんでお父さんはあたしを捨ててレイヴンなんかになったの!?娘より金が大事だっての!?」 「そんなわけないだろう!娘より金が大事ならこんなところにいないさ!!」 「じゃあ何でよ!なんで何も言わないでレイヴンになんかなったのよ!?」 「それは・・・すまない、今は言えないんだ。」 「どうしてよ!!」 「あなたたち。病室内では静かにしてもらわないと・・・」 あたしとお父さんの口論は、医療スタッフの女の人の入室で遮られた。 お父さんと同じぐらいの年だろうか。 「あー、すみません。久々に娘と会ったものでして。」 「娘?ああ、この娘が会いたがってた父親ってあなただったんですか、トルーパー。」 「ええ、そうです。娘が世話になってます。」 お父さんが申し訳なさそうに頭を下げる。 「じゃあ邪魔になるといけないので、私はこれで失礼します。」 そう言ってお父さんは部屋を出て行った。 |
あたしはACを降り、外の新鮮な空気を吸う。
地下世界とは言えど、コックピットの中に比べれば全然新鮮な空気だ。 (やっぱコックピットは狭くて息苦しいなぁ。) 大きく伸びをして、空を見上げて深呼吸。 (あれ?) なんか違和感を感じる。 火の玉になった爆撃機がどんどん大きくなってるような・・・ 試しに目をしばらく瞑って、また目を開けてみる。 するとどうだろう、火の玉が大きくなっているではないか! つまり、こっちに落ちてきている。 進行方向的に、ちょうどあたしがいる辺りに向けて・・・ 「え、嘘!?冗談じゃない!!」 事態を把握したあたしは慌ててACに乗り込み、ACを動かそうとする。 しかし今は通常モード。戦闘モードのようにきびきび動かせる状態ではない。 「えーと、戦闘モードに手動で切り替えるのは・・・」 あたしは必死でマニュアルに目を通すが、なかなか見つからない。 そうこうするうちに爆撃機の残骸はどんどん近寄ってくる。 「あった!これをこうして、こうして・・・うわっ!」 慣れない手つきで戦闘モードに切り替えようとしていたら、どうやら間に合わなかったようだ。 ACにとんでもない衝撃が走り、派手な爆発音が鳴り響く。 『AC2、どうした!?』 まだ通信を開いてあったのか、試験官が驚いて呼びかけてくる。 「あたしは大丈夫です・・・爆撃機の残骸が落ちてきただけです。」 そう返事をしながら機体の状態を見ると、もう大破寸前。 恐らく墜落時の衝撃で、爆撃機に積載してあった爆発物に引火したのだろう。 APが一気に削れ、熱暴走も発生しさらにAPが持続的に削られていた。 このまま乗っているのも危険な状態だが、AC周辺が燃え盛っているので降りれない・・・ 『機体の状況は?』 「墜落時の衝撃と爆発でAPが大幅に削られて、機体から熱が抜けないでさらにAPが削れています。」 『よし、至急回収のヘリを向かわせる。それまで持ちこたえるんだ!』 |
あたしはACを降り、外の新鮮な空気を吸う。
地下世界とは言えど、コックピットの中に比べれば全然新鮮な空気だ。 (やっぱコックピットは狭くて息苦しいなぁ。) 大きく伸びをして、空を見上げて深呼吸。 (あれ?) なんか違和感を感じる。 火の玉になった爆撃機がどんどん大きくなってるような・・・ 試しに目をしばらく瞑って、また目を開けてみる。 するとどうだろう、火の玉が大きくなっているではないか! つまり、こっちに落ちてきている。 進行方向的に、ちょうどあたしがいる辺りに向けて・・・ 「え、嘘!?冗談じゃない!!」 事態を把握したあたしは慌ててACに乗り込み、ACを動かそうとする。 しかし今は通常モード。戦闘モードのようにきびきび動かせる状態ではない。 「えーと、戦闘モードに手動で切り替えるのは・・・」 あたしは必死でマニュアルに目を通すが、なかなか見つからない。 そうこうするうちに爆撃機の残骸はどんどん近寄ってくる。 「あった!これをこうして、こうして・・・うわっ!」 慣れない手つきで戦闘モードに切り替えようとしていたら、どうやら間に合わなかったようだ。 ACにとんでもない衝撃が走り、派手な爆発音が鳴り響く。 『AC2、どうした!?』 まだ通信を開いてあったのか、試験官が驚いて呼びかけてくる。 「あたしは大丈夫です・・・爆撃機の残骸が落ちてきただけです。」 そう返事をしながら機体の状態を見ると、もう大破寸前。 恐らく墜落時の衝撃で、爆撃機に積載してあった爆発物に引火したのだろう。 APが一気に削れ、熱暴走も発生しさらにAPが持続的に削られていた。 このまま乗っているのも危険な状態だが、AC周辺が燃え盛っているので降りれない・・・ 『機体の状況は?』 「墜落時の衝撃と爆発でAPが大幅に削られて、機体から熱が抜けないでさらにAPが削れています。」 『よし、至急回収のヘリを向かわせる。それまで持ちこたえるんだ!』 |
『敵部隊の全滅を確認。なかなかいい動きだ、そうでなくてはな。』
『力は見せてもらった。おめでとう、新たなレイヴン。君を歓迎しよう。』 相方は撃破されたが、あたしは受かった。それでいい。 「あの・・・爆撃機は?」 『たった今、撃墜された。』 上空を見上げると、火の玉となった爆撃機が緩やかに降下していた。 『作戦は成功です。お疲れ様。』 通信先から爆撃機を撃墜したレイヴンのオペレーターの声が漏れてくる。 『こちらの試験も、無事終了した。ご苦労だった。』 また通信の背後から声が聞こえる。 「サンキュー!!レイヴン、助かったわ。」 もしかしたら爆撃機を撃墜したレイヴンに聞こえるかもしれない・・・ そんな思いをこめて、あたしは大声でそう礼を言った。 |
『・・・爆撃機到着まで、残り20秒です。』
開きっぱなしの試験官との通信の背後から小さく、そう聞こえた。 気のせいかと思ったが、通信から小さく「爆撃機」と「試験」の単語が頻繁に聞こえてくる。 聞き間違いではない。 「爆撃機だって!?そんなこと聞いてない!!」 何が起こっているのかを悟ったあたしは大声を上げた。 最近、コーテックスへの妨害工作をしている集団がいるという噂をよく耳にしていた。 恐らくその集団の仕業なのだろう。 『試験の中止は認められない。爆撃機の始末を頼む。』 『爆撃機は何の問題もない。君たちは試験に集中するんだ、いいな? 』 集中しろと言われてもできるわけがないが、このまま死ぬわけにはいかない。 爆撃機のことは聞かなかったことにして、MTの撃破に戻る。 「うわっ!!」 相方機の悲鳴が聞こえた。 AP表示を見ると0000。 結局、何もしないで撃破されたのか・・・ 『AC1大破!AC2、君だけで残りの敵を殲滅しろ。』 言われなくてもわかっている。 最初からそのつもりだった。 残るは盾を装備した増援の重装MT3機。 相手の特徴から、正面から攻めるのは危険だとわかりきっている。 だから距離を詰めつつ背後に回り、背後からブレードで切り捨てていく。 もう慣れたものだった。 残る2機も同じように撃破する。 [モクヒョウ タッセイ] ACの戦闘モードが解除され、行動に制約のかかった通常モードに移行する。 |
『レーダーに表示されている赤いラインが、作戦領域を示している。』
『一歩でも外に出た時点で作戦放棄とみなす。気をつけろよ。』 これが試験官からの最後のアドバイスだ。 あとはあたし自身と相方次第。 あたしは事前に読んでいたマニュアル通りにACの操縦を行う。 ぎこちないが、何とか動ける。どうにかなるだろう。 相方のほうを見てみると、不規則に少し動いては止まっての繰り返し。 「あんた、マニュアル読んでないの?」 思わず声をかける。 「う、うん・・・」 やっぱり読んでないようだ。 「はぁ・・・」 (あれじゃ頼りにならないね・・・) あたしは相方のことは無視して1人で試験を進めることにした。 あんなのに足を引っ張られてあたしまで死ぬのはごめんだ。 ぎこちない操作ながらも、あたしはライフルとミサイルを駆使して配備された逆脚MTを撃破していく。 流れ弾が後ろで試行錯誤している相方のAPがどんどん削れていくが、あたしには関係ない。 そしてあと2,3機といったところまで撃破したとき、試験官から通信が入った。 『輸送機の飛来を確認。どうやら敵の増援のようだ。』 輸送機からMTが投下され、まだ試行錯誤している相方機の近くに降下。 見たところ、バズーカとシールドを構えた重装MTが3機だ。 降下完了と共にバズーカが相方機に向く。 『予定外だが敵は敵だ。全て撃破しろ。』 予定外とは言うが、これも演出だろう。 成績優良者への追加試験として、こういったことをするという噂を聞いたことがある。 相方機を見ると、バズーカの集中砲火に手も足も出ない様子。 (あたしが助けに行っても助からないだろうな。) だからあたしは無視して初期配置のMTの排除を優先した。 |
コーテックス所属輸送機の中、2機のACが運ばれている。
そのうちの1機に今あたし、レジーナは乗っている。 『まもなく作戦領域に到着する。もう一度、君たちに課せられた作戦内容を説明する。』 乗り慣れないACの中、試験官の通信が響く。 『目標は、市街地を占拠している敵部隊の撃破。』 『敵勢力は、戦闘メカだ。』 『このチャンスに二度目はない。必ず成功させることだ。』 作戦といっても、所詮は試験なのだ。 敵部隊といってもあらかじめ用意された戦力だ。 落ち着いて撃破していけばいい。 あたしは自分にそう言い聞かせ、気持ちを落ち着かせる。 ようやくここまできたのだ、失敗するわけにはいかない。 「がんばりましょう。」 同時に試験を受けるレイヴン候補生から通信が入った。 声からするに若い男、あたしと同じぐらいか? まあどうでもいい。今は自分のことが最優先だ。 「そうね。お互い生き残れればいいわね。」 そんな感じの返事を、あたしはした。 「え?あ、うん。」 相方の返事は戸惑っているようだったが、気にしない。 『作戦領域到達。AC投下、ミッション開始だ。』 試験官がそう言うなり輸送機のハッチが開き、床のコンベアで機体が押し出される。 [システム キドウ] 着地と同時にノイズ交じりの耳障りなCPU音声がコックピットに響く。 戦闘モード起動、戦闘開始だ。 |
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