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解説とか
フロートって常に浮いてるよね、下部に常に熱出してそうだよね。 下部に熱が出てたら草木に致命的なダメージになりそうだよね。 そんなことを思って書いたお話。 PR |
だが実は、彼女が気づいていないことが1つだけあるのだ。
接地が皆無のフロート脚部は常時弱くブーストを吹かしてる状態だから常に浮いていられるのだ。 弱くといってもACほどの質量のものを浮かべているのだから、当然そこそこの出力が必要で、共に熱も出されている。 これは人工物への影響は少ないが、か弱い植物にとってはその熱量は危険なのだ。 だから彼女がACを乗り回した地域に芽生え始めた植物があっても、実は彼女のACに焼き払われてしまっているのだ。 だが緑化活動に貢献できて喜んでいる彼女の笑顔の前には、誰もその悲しい現実を教えることはできない・・・ |
ある程度資金がたまったらパルスライフルを購入し、ビルバオは本格的に活動を始めた。
フロート脚部は機動性が高いが、ビルバオは回避行動をしない。 回避したことで建物などが壊れ、その修理のために自然が壊されるようなことになってはいけないからだ。 同様の理由で無駄弾を撃たないように心がけ、機動性を生かして敵に攻撃させる暇を与えず短時間で撃破していく。 そのおかげで回避行動をとらなくても被弾率は低く、ミッション成功率は高かった。 順調に機体を買い換えていき、従来のコンセプトに加え軽量EOコアでプラズマキャノンを装備したACが出来上がった。 そして機体構成を変える必要のなくなった彼女はミッション成功報酬の大半を自然保護団体に寄付し始める。 彼女の稼ぐコームは今までの寄付金に比べれば莫大で、自然保護団体が行う緑化活動の規模も大きくなった。 彼女の活躍はレイヤードで話題になり、依頼の量も増える。 危険な依頼もあったがどれも順調にこなしていき、レイヤードの緑化もどんどん進んでいく。 |
だがレイヴンとなった直後、彼女は頭を抱えた。
初期機体の武装に不満があるのだ。 左腕のレーザーブレードは許せるが、それ以外の実弾武器が許せない。 「弾薬費が少なくてお勧めです!」 とか機体説明の時に言われたが、実弾兵器を使うということは資源の無駄遣いをするということ。 だからコーテックス職員が止めるのを振り切って、ライフルとミサイルを売り払った。 緑を踏み潰してしまうであろう脚部も気に入らず、ブースターも一緒に売り払って接地なしの安価なフロート脚部に取り替える。 そして当然EN兵器主体の予定なのでジェネレーターをいいものに交換し、初期ジェネレーターは売却。 そうして出来上がった「エコで自然に優しい」をコンセプトとした少しめちゃくちゃな機体。 さすがにブレードだけというのが危険なのはビルバオも覚悟していたので、まずは低収入の簡単な仕事を繰り返していく。 |
そんな日々を過ごしていたら、レイヴンの仕事はハイリスクだが莫大なコーム収入があるという話を耳にした。
レイヴンの仕事、それは勢力間争いへの加勢だ。 泥沼化しがちの争いの片方に加勢し、その圧倒的戦力で争いを終わらせる。 争いに加担してしまうが、それで争いを早期終結させればそれ以上自然は破壊されない。 実に素晴らしいことではないか。 そう思った彼女は、レイヴンの管理を行っているグローバルコーテックスへ試験の申し込みを行った。 争いに加担するということは死ぬ可能性もあるということだが、自然を守るために死ねるなら本望だ。 だから試験当日までがんばって予習をし、試験にもちゃんと合格し無事レイヴンとなった。 |
なのにレイヤードに住む人間は争い、自然を破壊する。
その争いのために限りある資源で武器などが作られ、それらが湯水のように使われる。 そして自然がまた破壊される。 彼女はそれを悲しんだ。 自然をどんどん破壊していけば、酸素がなくなって結局みんな死んでしまう。 そもそも殺し合いは何も生まない、殺し合いなんかしないほうがいい。 しかし目先の利益ばかり考える人たちばかりでは争いはなくならない。 いくらビルバオが自然保護団体で活動しても無力だった。 募金を集めて緑化活動を行っても、それ以上のペースで自然が破壊されるのだ。 どれだけ規模の大きな団体でもこれではとても手に負えない。 |
ビルバオは自然が大好きだ。
例えそれが管理者によって作られた地下世界だとしても、だ。 レイヤード生まれレイヤード育ちの彼女は本物の自然を知らない。 彼女だけでなくレイヤードの住人で地上の本物の自然を知る人間はもういないだろう。 だがそれでも自然が好きだ、緑が好きだ。 子供の頃の理科の授業で植物は光合成で二酸化炭素を酸素に変えていると習った。 酸素がなければ私たちは生きることができないのに、私たちはその大事な酸素を吸って二酸化炭素を出すだけだ。 だが植物は、私たちが出した二酸化炭素を吸って代わりに酸素を戻してくれる。 植物がなければ酸素がなくなり、人間たちはこの閉鎖されたこの世界で生きることはできないのだ。 それを習ったとき彼女は感動し、自然を大事にしようと心がけるようになった。 |
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