× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
高エネルギー反応の主がファントムの視界に現れる。
それは逆脚ACと酷似した機体であったが、ACとは明らかに違った点があった。 機体の全身を巡る青いライン。 そして両腕部から常に放出されている、大振りのブレードらしきエネルギー光。 その姿は異形だった。 「何だこいつは?」 ファントムは警戒してショットガンで牽制しながらストレイタスを後退させる。 しかし正体不明機はそれ以上のスピードでストレイタスとの距離を詰め、ストレイタスに斬りつける。 [脚部損傷] [コア損傷] [右腕部損傷] 大振りのブレードを直撃したストレイタスの頭部COMが矢継ぎ早に損傷報告を告げる。 「容赦なしか。」 密接したままの正体不明機に、連射用小型グレネードを叩き込む。 [正体不明機撃破。] 正体不明機の装甲は厚くなかったらしく、瞬く間に爆散してしまった。 「ちっ、味気ねぇ・・・」 ファントムは再びストレイタスを帰路へ向ける。 PR |
解説とか
所要時間5~6時間くらい 書く前に思いついたネタ ・デュアルフェイスとジオハーツのCOM分析と実戦術の違い。 デュアルフェイス=グレネードランチャーを装備。ジノーヴィーはグレ祭りだが、ベイロードシティでは近接主体の戦術? ジオハーツ=機動力を生かした近接がCOM分析。アグラーヤの戦術はCOM分析通り。 このことからデュアルフェイスの中の人が2人いる疑惑。 解説など ・NX本編でのアグラーヤ初登場ミッション「クレスト侵攻阻止」の描写がない理由。 アグラーヤ死亡描写は展開に関係あるから書いたけど、このミッションはジノーヴィー視点だと書きにくかった。 ・ジノーヴィーとアグラーヤの絡みの描写が皆無の理由。 「テストで負けて仕方なくデュアルフェイスの所有権を共有」これが唯一の接点であるという設定。 ジノーヴィーはアグラーヤのことをよく思っていなかったので人間同士での交流は皆無の設定。 序盤のアリーナは実はクレストからジノーヴィーへの「騙して悪いが」イベント。 アリーナ自体はアーク主催という設定。しかしこの試合の裏にはクレストの力が大きく影響していて実質クレスト主催。 どう見ても新人レイヴンにふさわしくない実力のアグラーヤが出場しているのはそのため。 クレストがアグラーヤを出場させたのは彼女を使って試合をコントロールするため。 仲介人が専属契約という条件を簡単に引き下げたのは、どちらに転んでもジノーヴィーをクレスト側に引き込めるから。 つまり賭けを受けてしまった以上、その時点で既にジノーヴィーははめられていたのです。 Q.旧世代の遺産はどうした? A.ジノーヴィーが旧世代の遺産に語るのはベイロードシティの戦闘中だしどうでもいっか、と省略。 Q.ファントムシーフって誰だっけ? A.NX最弱ランカー。初期ランカーではなく補充の1人目だったかな? 反省点とか 戦闘描写が苦手です。 誰かが先に書いてそうなネタだね! |
「アライアンスか・・・」
特攻兵器の襲来で組織の維持ができなくなった元三大企業の集合体がアライアンスだ。 当然戦力の規模も大きく、機体の管理なども厳重だろう。 それに加え、ACを中核とする戦術部隊まで存在する。 さすがに私1人が生身で手に負える相手ではない。 目には目を、歯には歯を。 ここはやはりACで戦いを挑むのが妥当だろう。 トレーラーを墓地の近くの廃倉庫へ走らせる。 廃倉庫にはアグラーヤのジオハーツが撃破当時の状態で保存してある。 アグラーヤには申し訳ないが、デュアルフェイス奪還までの間、拝借させてもらおうと思ったのだ。 しかし廃倉庫に到着して改めて状態を見ると、修理したとしても動かせる状態ではなかった。 頭部と両腕部は比較的軽微な損傷だったが、コアおよび内装と脚部が修理のしようがない損傷具合だった。 頭部と腕部を拝借し、他は私自身で仕入れた。 そして情報屋のエド・ワイズに各方面へ売りに出してもらい、私のレイヴン活動がスタートした。 デュアルフェイスは私が取り戻す、誰にもこの邪魔はさせない。 しかしアライアンス戦術部隊から戦力外通知を受けるようなデュアルフェイスの持ち主だ。 いつどこの誰に撃破されるかわかったものじゃない。 だから危険を覚悟で、対AC戦闘の依頼を積極的にこなす。 そして誰かが彼を撃破する前に、その誰かを撃破する。 ACを撃破すればするほど私の名声は上がり、依頼も増える。 あとはあの男を私が仕留めるだけだ。 ~Fin~ |
ジノーヴィーの遺体をアグラーヤの遺体の横に埋葬したあと、私はあの男についての情報を調べた。
そしてやっと、情報屋が仕入れた情報であの男の尻尾を掴むことができた。 この地区を中心に世界を混乱に陥れた特攻兵器が現れる、その前日にレイヴンになったという新米レイヴンらしい。 「ACの操縦は試験で動かしただけ、か・・・」 トレーラーの中で情報屋のレポートを読み終わり、最後の一文が思わず口に出る。 目の前にはサングラスで人相のわからない男がいる。この男が情報屋だ。 「ああ、そのようだ。他に知りたいことは?」 「潜伏先はわかるか?」 「簡単さ、ちょっと待ってろ。」 この情報屋、つかみどころがない人間だが情報の速さと正確さは本物だ。 「出たぞ。アライアンスに加入し、ACを扱う戦術部隊から戦力外通知、その後仕方なく本部部隊に配属。」 「戦力外通知だと?」 「ああ、そのようだ。しかし何故こんな冴えない男を追っている?」 「何でも調べられるんだろ?それぐらい聞かないで調べれるだろう。」 「わかってるねぇ、お嬢さん。」 情報屋の男はそう言いながら私の肩に手をかける。 「やめろ、気持ち悪い。」 私はその手を振り払う。 「お嬢さんにあんな男はもったいないぜ。何なら別のいい男も調べて・・・」 「もういい、帰れ!」 「はいはい帰りますとも。じゃ、情報屋"エド・ワイズ"をごひいきに。」 情報屋のエド・ワイズはそう言って私のトレーラーから出ていった。 |
やっぱり、ランク1位の機体はいいなぁ。
僕は思わず見とれてしまう。 修理してもらってエンブレムも張り替え終わったデュアルフェイスの前で僕はうきうきしていた。 そうだ、名前だ。 「ねえ。」 僕は機体の整備をしてるおじさんに声をかける。 「ん、何だ?」 「この機体、名前付けてよ。」 「名前って、こりゃデュアルフェイスだろう?」 「デュアルフェイスじゃダメなんだ!ほら、エンブレム違うでしょ?」 「いや、それでもこれはデュアルフェイスだろう?」 「デュアルフェイスはダメ!何か違うの考えてよ!」 僕は年不相応に駄々をこねる。 「ちっ、しょうがないな・・・」 整備のおじさんは腕を組んで考え込む。 (どんな名前になるかな・・・) 「ピンチベックとかどうだ?」 「じゃあそれでいいや。ありがとう。」 「ん、まあな。さて、もう動かせるぞ。」 「本当!?」 「ああ、嘘はつかねぇ。終わったんだからもうさっさといけ!」 「うん、ありがとう!」 ピンチベックに乗り込んで操縦を始めながら、僕はお礼を言った。 「もう来るんじゃねぇ!!」 去り際にそんな怒鳴り声が聞こえた気がした。 |
冴えない男がデュアルフェイスが持ち去る光景を、私は瓦礫の影から見ていた。
「なんてひどいことを・・・」 ACから投げ捨てられたパイロットスーツの遺体を抱え、私は泣いた。 しかしここで悲しんでいても仕方ない。遺体は私のトレーラーへと運び込んだ。 トレーラーの荷台の中でヘルメットをはずしてみると、同郷出身者の特徴がしっかりある顔立ちの男だった。 「間違いない、ジノーヴィー・・・」 幸い、密閉されたAC内の空調がずっと生きてたおかげか、死体は腐乱してはいなかった。 腐敗を進めないためにトレーラー内の空調を限界まで下げて、ジノーヴィーの遺体を固定し、私はトレーラーの運転を始める。 行き先は、私とジノーヴィー、そしてアグラーヤの祖国にある墓地だ。 アグラーヤの機体と遺体も、私が手に入れてそこに埋葬してある。 戦場で果てても祖国で2人一緒に埋葬されるのが本望だろう。 レイヴンであった証である機体と共に。 だが、ジノーヴィーのデュアルフェイスはあの冴えない男に持ち去られてしまった。 ジノーヴィーとデュアルフェイスを引き離したあの男を、私は許せなかった。 トレーラーのハンドルを握る手に思わず力が入る。 「何としても見つけ出してやる、何としてでも!」 デュアルフェイスを取り戻す、1人そう誓った。 |
僕は荒廃したベイロードシティの中に佇む1機のACの残骸を見つけた。
見たことがある、あれはデュアルフェイスだ。 なんでこんなとこにあるんだろ? これ、修理すれば動くかな? そう思った僕は機体表面をよじ登り、コックピットハッチをこじ開ける。 中を見るとパイロットスーツ姿の男が死んでいる。 死体には興味ないし、邪魔だから捨てた。 パイロットシートに座って計器類をいじると、通常モードが起動した! 動く、動くぞ!! 機体損傷が大きすぎて戦闘モードにできないけど、修理すれば使えるよね? こんなとこに捨てておくのはもったいないし、もらっちゃおう。 ついでに僕の機体にしちゃえ。 名前は誰かに決めてもらおう。 エンブレムはこのままだといけないから変えないとな。 でも考える時間がもったいないから、反対にして使っちゃえ。 この機体で、僕は最強のレイヴンになるんだ。 ランク1位の機体が、負けるはずがないんだ!! |
『ジノーヴィー、悪いが消えてくれ。君の撃破を持って、我々の降参表明とする。』
支社からの通信は完全に切られた。呼び出してももう応答しないだろう。 「裏切られることなど、傭兵の常とは言え・・・」 ジノーヴィーは敵レイヴンに通信を入れる。 「だが、今この瞬間は、力こそ全てだ!」 そう、力なくして生き残れはしない。 だが、逆にいえば力さえあれば生き残れるのだ。 「・・・」 「私を超えてみろ!!」 それは虚勢だった。傷だらけのこの機体では勝てる見込みはないだろう。 しかし仮にも、ジノーヴィーはランク1位だ。 実力でそこまで上がったわけでなくても、ジノーヴィー自身の努力が無駄だったわけではない。 ジノーヴィーとアグラーヤ、2人の力を合わせてのランク1位なのだ。 いびつな形での2人の存在証明、それがこのランクだ。 ジノーヴィーはこれを誇りに思っていた、だから虚勢を張れた。 それに相手はアグラーヤを撃破したレイヴンだ。 そしてここはアグラーヤが散ったベイロードシティの中だ。 この相手に、この場所で、撃破されて死亡するなら本望だった。 敵レイヴンへの忠義を尽くし、ジノーヴィーは死に行く戦闘を開始した。 ~Fin~ |
完全に廃墟となったベイロードシティの中央で、デュアルフェイスの中でジノーヴィーはそんな過去を思い返していた。
まだアグラーヤの香水の香りが残るパイロットシート。 それだけが、ジノーヴィーの心の支えとなっていた。 「私が頼るものはもうない。だがアグラーヤ、私を見守ってくれ・・・」 返事があるわけもなく、コックピット内にむなしく言葉が響く。 『ジノーヴィー、聞こえるか?アーク経由で増援のレイヴンを呼んだ。君はそこの警戒を続けてくれ。』 クレストからの通信だった。信号は支社のもの。 「了解。引き続き警戒を続ける。」 応答を終え、通信を切る。 「しかし補給もなしに警戒か、酷使されたものだ。」 思わず愚痴をこぼすが、それを聞く相手は誰もいない。 『ジノーヴィー、もうすぐ増援のレイヴンが到着する。指定ポイントで合流してくれ。』 「了解。ポイントへ移動する。」 ジノーヴィーが指定ポイントへ移動すると、そこにいたのはアグラーヤを撃破したレイヴンだった。 「皮肉なものだな。」 「・・・」 思わず相手に通信を入れてしまったが、返事はない。 その代わりに、友軍信号が解除された。 それに気づいたジノーヴィーは即座に距離を取り、ビルの瓦礫へと機体を隠す。 |
そんな日々が続いていた折、アグラーヤが撃破されたという報せがジノーヴィーに届く。
偽の依頼でベイロードシティの屋上に呼び出され、撃破されたらしい。 ジノーヴィーが相手を調べてみると、ベイロードシティでミラージュの特殊部隊を迎撃したときにいた新人レイヴン。 助けた場所で助けた相手に殺される、皮肉な話だ。 ジノーヴィーはアグラーヤの死を悲しんだが、それも僅かな時間のことだった。 クレスト本社とその地区の支社が対立し、クレスト支社と深い関係になっていたジノーヴィーもその争いに巻き込まれていった。 デュアルフェイスで本社部隊と交戦を続けるが、本社の大部隊が相手ではいくらACでも歯が立たない。 そこで支社の部隊は放棄されたベイロードシティに本社部隊を追い込み、そこで一気に決着をつける作戦を立案。 ジノーヴィーもその作戦に参加し、ベイロードシティ内に誘い込んだ本社部隊を全て撃破した。 しかし支社部隊は全滅し、ジノーヴィーの傷ついたデュアルフェイスのみとなった。 |