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「どうかしたかな?」
「私、この機体しか使っちゃいけないんですか?」 「うむ。できればそうしてほしい。」 「・・・」 私は言葉が出なかった。 確かに試作品のモニター役になるのはうれしい。 しかしEN管理などが致命的な一般的に"産廃"と呼ばれかねない機体で過ごせというのだ。 それも初期機体すらまともに扱ったことのない新米レイヴンに。(ただの新米と比べれば知識はあるが) 「この機体を使うことは、私にメリットはあるんでしょうか?」 「うーん、そうだねぇ・・・」 コーテックス職員は少し考え込む。 「この機体を使ってもらえるなら、別途に試作パーツも提供しよう。」 「ほかにも試作パーツがあるんですか?」 「武器が数点だったかな。市場には出回ってない。」 「じゃあこの機体、使います!」 "限定品"などの言葉に弱いのだ、私は。 例えそれがいずれ一般に普及するであろうものであっても。 「よし、じゃああとで追加パーツを送っておくからがんばってくれ。」 「あ、はい!」 職員がいなくなり、ガレージは私一人だけとなった。 PR |
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「うーん。」
書類をここまで読んでみて、私は思わず声がでた。 「どうしました?」 「え?いえ、なんでも!」 「気に入ってくれたかな?」 「私なんかがこんな機体を扱っていいかわかりませんが、うれしいです。」 「そうか。何か質問は?」 「えっと、じゃあ数点ほど。」 「なんだい?」 「コアはクレストの軽量OBタイプだと見てわかるんですけど、内装は?」 「ああ、確かにその資料には書いてなかったね。」 職員はそういいながら、私にまた新しい書類を渡してきた。 「それにその機体の構成と使用条件が書いてある。」 私は書類に目を落とす。 ブースターは最高出力最高EN消費の"CBT-FLEET"。 ジェネレーターは初期標準装備で低容量低出力の"CGP-ROV6"。 使用条件は"OPパーツ、FCSと武装のみ換装可。"とある。 「なにこれ・・・」 また思わず声に出してしまった。 試作機のテスト(?)なのだから、ベースの換装を禁止するのはわかる。 でもこのブースターとジェネレーターの組み合わせは・・・ |
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"CHD-GLITCH"「索敵能力と防御力を兼ねた実験型」頭部。
センサーやレーダーを完備しているのはすばらしい。 だが重量と消費ENに見合わないAPや防御の低さが気になる。 "MAL-303S"「ブレード使用時に安定した放熱率を誇る」軽量腕部。 重量と消費ENのバランスがよくブレード適正が非常に高いのが魅力。 しかし防御性能が致命的に低い・・・ "CLL-EM-070"「積載量を増加した軽量型」軽量脚部。 解説文の通り、中量二脚に迫る積載量を誇るのが特徴。 でも軽量パーツとはいえ防御性能が致命的に低く、旋回性能も低い。 "RIX-CR5000"「高性能だが極端に重い実験型」ラジエーター。 他の追随を許さない冷却性能なのだが、オーバースペックな気もする。 重量と消費ENがひどく、機体構成の足を引っ張る原因になりそうだ。 |
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「試験合格おめでとう。ここが君のガレージだ。」
無事に試験を突破した私はコーテックスの職員に案内され、ガレージに案内された。 「なにこれ?」 私は思わずそう声を漏らした。 見たことのないパーツが大量についたACが目の前にあるのだ。驚かないわけがない。 「君の機体だ。」 「なんていうかその!聞いてた機体と違うんですが?」 私が聞いていたのは一般的に"初期機体"と呼ばれる安価な機体だ。 「ああ、君は試験の結果が優秀だったからね。特別にこの機体を用意させてもらった。」 このコーテックス職員の笑顔はなんだろう。 「特別な機体なんですか?」 「特別だねぇ。なんといっても、まだ市場に出回ってない試作品満載だから。」 「試作品、ですか・・・」 「君、今市場に出回ってるパーツの知識はあるかな?」 「あ、はい。大体は把握しています。」 私は非公式のACオペレーターなどを経験していたので、ACの知識は一般レイヴン程度はある。 「じゃあこれを見てほしい。」 職員は私に書類の束を渡した。 私は書類に目を通す。 書類には頭部、腕部、脚部、ラジエーターのスペックが表記されていた。 「えっと、これに書いてあるスペックがあの機体のパーツの性能なんですか?」 「そう。明記されていない部位は既存パーツだ。」 私はまた書類に目を落として情報を整理する。 |
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所要時間
放置してたのを数ヶ月ぶりに発見して仕上げたから、わかんない。 解説とか レジーナの試験を書きたかった。 「試験終了時とメールの温度差の理由=爆撃機直撃でレイヴン生活早々借金」の脳内設定を発展。 レジーナの一人称が「あたし」なのは強気な性格っぽいという脳内補完から。 トルーパーと女性医療スタッフは単なる同級生程度の関係かな。不倫とかじゃありません。 レジーナのメールの内容がうろ覚え。間違ってるかも。 |
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「はい、準備できたわよ。あ、あとこれ。ACの請求書みたい。」
医療スタッフはそう言って、あたしに端末と書類を渡す。 寝ながらでも操作できる小型端末だが、病室だからか有線接続だ。 「ありがとうございます。」 「じゃあ寝るの遅くならないようにね。おやすみなさい。」 「はい。おやすみなさい。」 あたしは去り際の医療スタッフにそう返した。 「ACの請求書?何だろ。」 あたしは書類に目を落とす。 [修理内容:全パーツ交換(全パーツ分の修理費用が発生)] [修理費用:コーテックス規定の対象外の状態のため、レイヴン負担。] [補足事項:リミッター解除状態のACの修理は当社では受け付けておりません。今回は例外的に修理のみを実施いたしました。] 「冗談じゃない・・・」 あたしは思わず声を漏らす。 初期機体はACの中では比較的安価だが、それでも一般人には高額商品だ。 それがレイヴン活動開始直後に全額負担、頭が痛い。 (いきなり借金生活かぁ・・・) そんな思い気持ちで端末を操作し、メールを送信して、あたしは寝た。 [TITLE:礼] [爆撃機を撃墜したのはあなただと聞いた。] [とりあえず礼はしておく。] ~Fin~ |
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「レジーナちゃん、具合はどう?」
「もう元気です。あとあたしもう子供じゃないんだから、"ちゃん"付けで呼ぶのやめてください・・・」 「そう。一応検査して問題なければ退院だね、レジーナちゃん。」 「だから・・・!」 「ふふ、それだけ元気があれば大丈夫そうね。何か聞きたいことはある?」 「じゃあ一つだけ。」 あたしは少しを間を空けて続ける。 「あたしの試験の妨害をしようとした爆撃機を撃墜したレイヴンってどんな人ですか?」 「うん?あの人はレイヴンになって日が浅いけど活躍がすごいわね。アリーナもどんどん勝ち進んでるの。」 「連絡先とか、わかりますか?」 「わかるけど、寡黙な人だから返事とか期待できないわよ?」 「それでもいいんです。一言お礼を言いたいだけなので。」 「そう・・・じゃあちょっと待ってね。」 そう言って医療スタッフの女性はメモに連絡先を書いて私に渡した。 「ありがとうございます。」 「いえいえ。今日はもう遅いから、検査は明日にしましょう。」 「はい。あ、もう1つ聞いていいですか?」 「何かしら?」 医療スタッフは不思議そうにあたしの顔を覗き込む。 「メールがしたいんですけど、端末か何か借りられませんか?」 「いいわ。じゃあちょっと待っててね。」 医療スタッフはそう言って部屋を出た後、すぐ戻ってきた。 「今準備するから待っててね、レジーナちゃん。」 「だから"ちゃん"付けで呼ばないでってば・・・」 しかし医療スタッフは端末の接続作業に集中し、聞く耳を持たない。 |
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「お父さん・・・」 「目を覚ましたのかレジーナ!どうしてこんなことに・・・」 耳元でお父さんの大声が聞こえる。 「お父さん!?」 驚いてあたしは飛び起きた。 周りを見渡すと質素な部屋。 「なんでレジーナがレイヴンなんかに・・・」 お父さんが頭を抱えている。 「お父さんに会いたかったから。それだけで納得しない?」 「だからって、こんな危険なことに手を出さなくていいじゃないか!!」 「じゃあなんでお父さんはあたしを捨ててレイヴンなんかになったの!?娘より金が大事だっての!?」 「そんなわけないだろう!娘より金が大事ならこんなところにいないさ!!」 「じゃあ何でよ!なんで何も言わないでレイヴンになんかなったのよ!?」 「それは・・・すまない、今は言えないんだ。」 「どうしてよ!!」 「あなたたち。病室内では静かにしてもらわないと・・・」 あたしとお父さんの口論は、医療スタッフの女の人の入室で遮られた。 お父さんと同じぐらいの年だろうか。 「あー、すみません。久々に娘と会ったものでして。」 「娘?ああ、この娘が会いたがってた父親ってあなただったんですか、トルーパー。」 「ええ、そうです。娘が世話になってます。」 お父さんが申し訳なさそうに頭を下げる。 「じゃあ邪魔になるといけないので、私はこれで失礼します。」 そう言ってお父さんは部屋を出て行った。 |
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あたしはACを降り、外の新鮮な空気を吸う。
地下世界とは言えど、コックピットの中に比べれば全然新鮮な空気だ。 (やっぱコックピットは狭くて息苦しいなぁ。) 大きく伸びをして、空を見上げて深呼吸。 (あれ?) なんか違和感を感じる。 火の玉になった爆撃機がどんどん大きくなってるような・・・ 試しに目をしばらく瞑って、また目を開けてみる。 するとどうだろう、火の玉が大きくなっているではないか! つまり、こっちに落ちてきている。 進行方向的に、ちょうどあたしがいる辺りに向けて・・・ 「え、嘘!?冗談じゃない!!」 事態を把握したあたしは慌ててACに乗り込み、ACを動かそうとする。 しかし今は通常モード。戦闘モードのようにきびきび動かせる状態ではない。 「えーと、戦闘モードに手動で切り替えるのは・・・」 あたしは必死でマニュアルに目を通すが、なかなか見つからない。 そうこうするうちに爆撃機の残骸はどんどん近寄ってくる。 「あった!これをこうして、こうして・・・うわっ!」 慣れない手つきで戦闘モードに切り替えようとしていたら、どうやら間に合わなかったようだ。 ACにとんでもない衝撃が走り、派手な爆発音が鳴り響く。 『AC2、どうした!?』 まだ通信を開いてあったのか、試験官が驚いて呼びかけてくる。 「あたしは大丈夫です・・・爆撃機の残骸が落ちてきただけです。」 そう返事をしながら機体の状態を見ると、もう大破寸前。 恐らく墜落時の衝撃で、爆撃機に積載してあった爆発物に引火したのだろう。 APが一気に削れ、熱暴走も発生しさらにAPが持続的に削られていた。 このまま乗っているのも危険な状態だが、AC周辺が燃え盛っているので降りれない・・・ 『機体の状況は?』 「墜落時の衝撃と爆発でAPが大幅に削られて、機体から熱が抜けないでさらにAPが削れています。」 『よし、至急回収のヘリを向かわせる。それまで持ちこたえるんだ!』 |
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あたしはACを降り、外の新鮮な空気を吸う。
地下世界とは言えど、コックピットの中に比べれば全然新鮮な空気だ。 (やっぱコックピットは狭くて息苦しいなぁ。) 大きく伸びをして、空を見上げて深呼吸。 (あれ?) なんか違和感を感じる。 火の玉になった爆撃機がどんどん大きくなってるような・・・ 試しに目をしばらく瞑って、また目を開けてみる。 するとどうだろう、火の玉が大きくなっているではないか! つまり、こっちに落ちてきている。 進行方向的に、ちょうどあたしがいる辺りに向けて・・・ 「え、嘘!?冗談じゃない!!」 事態を把握したあたしは慌ててACに乗り込み、ACを動かそうとする。 しかし今は通常モード。戦闘モードのようにきびきび動かせる状態ではない。 「えーと、戦闘モードに手動で切り替えるのは・・・」 あたしは必死でマニュアルに目を通すが、なかなか見つからない。 そうこうするうちに爆撃機の残骸はどんどん近寄ってくる。 「あった!これをこうして、こうして・・・うわっ!」 慣れない手つきで戦闘モードに切り替えようとしていたら、どうやら間に合わなかったようだ。 ACにとんでもない衝撃が走り、派手な爆発音が鳴り響く。 『AC2、どうした!?』 まだ通信を開いてあったのか、試験官が驚いて呼びかけてくる。 「あたしは大丈夫です・・・爆撃機の残骸が落ちてきただけです。」 そう返事をしながら機体の状態を見ると、もう大破寸前。 恐らく墜落時の衝撃で、爆撃機に積載してあった爆発物に引火したのだろう。 APが一気に削れ、熱暴走も発生しさらにAPが持続的に削られていた。 このまま乗っているのも危険な状態だが、AC周辺が燃え盛っているので降りれない・・・ 『機体の状況は?』 「墜落時の衝撃と爆発でAPが大幅に削られて、機体から熱が抜けないでさらにAPが削れています。」 『よし、至急回収のヘリを向かわせる。それまで持ちこたえるんだ!』 |
