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冴えない男がデュアルフェイスが持ち去る光景を、私は瓦礫の影から見ていた。
「なんてひどいことを・・・」 ACから投げ捨てられたパイロットスーツの遺体を抱え、私は泣いた。 しかしここで悲しんでいても仕方ない。遺体は私のトレーラーへと運び込んだ。 トレーラーの荷台の中でヘルメットをはずしてみると、同郷出身者の特徴がしっかりある顔立ちの男だった。 「間違いない、ジノーヴィー・・・」 幸い、密閉されたAC内の空調がずっと生きてたおかげか、死体は腐乱してはいなかった。 腐敗を進めないためにトレーラー内の空調を限界まで下げて、ジノーヴィーの遺体を固定し、私はトレーラーの運転を始める。 行き先は、私とジノーヴィー、そしてアグラーヤの祖国にある墓地だ。 アグラーヤの機体と遺体も、私が手に入れてそこに埋葬してある。 戦場で果てても祖国で2人一緒に埋葬されるのが本望だろう。 レイヴンであった証である機体と共に。 だが、ジノーヴィーのデュアルフェイスはあの冴えない男に持ち去られてしまった。 ジノーヴィーとデュアルフェイスを引き離したあの男を、私は許せなかった。 トレーラーのハンドルを握る手に思わず力が入る。 「何としても見つけ出してやる、何としてでも!」 デュアルフェイスを取り戻す、1人そう誓った。 PR |