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【2024/05/18 22:55 】 |
P14-2つの顔
冴えない男がデュアルフェイスが持ち去る光景を、私は瓦礫の影から見ていた。
「なんてひどいことを・・・」
ACから投げ捨てられたパイロットスーツの遺体を抱え、私は泣いた。
しかしここで悲しんでいても仕方ない。遺体は私のトレーラーへと運び込んだ。
トレーラーの荷台の中でヘルメットをはずしてみると、同郷出身者の特徴がしっかりある顔立ちの男だった。
「間違いない、ジノーヴィー・・・」
幸い、密閉されたAC内の空調がずっと生きてたおかげか、死体は腐乱してはいなかった。
腐敗を進めないためにトレーラー内の空調を限界まで下げて、ジノーヴィーの遺体を固定し、私はトレーラーの運転を始める。
行き先は、私とジノーヴィー、そしてアグラーヤの祖国にある墓地だ。
アグラーヤの機体と遺体も、私が手に入れてそこに埋葬してある。
戦場で果てても祖国で2人一緒に埋葬されるのが本望だろう。
レイヴンであった証である機体と共に。
だが、ジノーヴィーのデュアルフェイスはあの冴えない男に持ち去られてしまった。
ジノーヴィーとデュアルフェイスを引き離したあの男を、私は許せなかった。
トレーラーのハンドルを握る手に思わず力が入る。
「何としても見つけ出してやる、何としてでも!」
デュアルフェイスを取り戻す、1人そう誓った。
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【2010/11/20 13:18 】 | 2つの顔
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