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【2024/05/19 02:43 】 |
P12-2つの顔
『ジノーヴィー、悪いが消えてくれ。君の撃破を持って、我々の降参表明とする。』
支社からの通信は完全に切られた。呼び出してももう応答しないだろう。
「裏切られることなど、傭兵の常とは言え・・・」
ジノーヴィーは敵レイヴンに通信を入れる。
「だが、今この瞬間は、力こそ全てだ!」
そう、力なくして生き残れはしない。
だが、逆にいえば力さえあれば生き残れるのだ。
「・・・」
「私を超えてみろ!!」
それは虚勢だった。傷だらけのこの機体では勝てる見込みはないだろう。
しかし仮にも、ジノーヴィーはランク1位だ。
実力でそこまで上がったわけでなくても、ジノーヴィー自身の努力が無駄だったわけではない。
ジノーヴィーとアグラーヤ、2人の力を合わせてのランク1位なのだ。
いびつな形での2人の存在証明、それがこのランクだ。
ジノーヴィーはこれを誇りに思っていた、だから虚勢を張れた。
それに相手はアグラーヤを撃破したレイヴンだ。
そしてここはアグラーヤが散ったベイロードシティの中だ。
この相手に、この場所で、撃破されて死亡するなら本望だった。
敵レイヴンへの忠義を尽くし、ジノーヴィーは死に行く戦闘を開始した。

~Fin~
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【2010/11/20 13:17 】 | 2つの顔
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