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「今日もおじいちゃんがきてたの?」
目をこすりながら、烏大老の孫が起きてきた。年は6歳くらいだ。 「ああ、だがまだ忙しいからなかなか会えないみたいだな。」 「おじちゃんは、僕と一緒にいてくれる?」 「もちろんさ。少し早いがご飯にするか。」 「うん。」 「よーし、じゃあお前も手伝え。自分で作ったご飯はうまいぞ。」 「うん。」 烏大老の孫の家事の手際はとてもいい。 全てG.ファウストが教え込んだものなのだが、飲み込みが非常に早いのだ。 (これならこの子1人でも生きていけるな。) 義孫の手際のよさを見ながら、G.ファウストはそう感じていた。 この子を1人にするつもりなど元よりないのだが、G.ファウストも烏大老も既にかなりの高齢なのである。 2人ともいつ老衰で倒れるかわからない。 しかも烏大老はまだ現役レイヴンだ、いつ死んでもおかしくはない。 2人がいなくなってしまえば、この子にはもう身寄りがない。 だからこの子が1人立ちできると確信が持てるというのは、非常に大事なことなのだ。 「おじちゃん、どうしたの?」 義孫が不思議そうな顔をしながら、G.ファウストに聞いてくる。 ずっと自分のことを見つめられているのに疑問を感じたのだろう。 「いや、なんでもないさ。お前なら大丈夫だ。」 「? 変なの!」 「ははは。さて用意も終わったことだし、食べるか!」 「うん!いただきます。」 「よし、行儀正しくてよろしい。では私もいただ」 G.ファウストも「いただきます」と言おうとしたのだが、玄関の呼び鈴が鳴った。 「誰だ、こんな早朝に。先に食べててくれ。」 朝食のお預けを食らい、不満げな表情で玄関へ向かう。 PR |
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