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【2025/08/22 20:56 】 |
P2-老兵の回帰
「今日もおじいちゃんがきてたの?」
目をこすりながら、烏大老の孫が起きてきた。年は6歳くらいだ。
「ああ、だがまだ忙しいからなかなか会えないみたいだな。」
「おじちゃんは、僕と一緒にいてくれる?」
「もちろんさ。少し早いがご飯にするか。」
「うん。」
「よーし、じゃあお前も手伝え。自分で作ったご飯はうまいぞ。」
「うん。」
烏大老の孫の家事の手際はとてもいい。
全てG.ファウストが教え込んだものなのだが、飲み込みが非常に早いのだ。
(これならこの子1人でも生きていけるな。)
義孫の手際のよさを見ながら、G.ファウストはそう感じていた。
この子を1人にするつもりなど元よりないのだが、G.ファウストも烏大老も既にかなりの高齢なのである。
2人ともいつ老衰で倒れるかわからない。
しかも烏大老はまだ現役レイヴンだ、いつ死んでもおかしくはない。
2人がいなくなってしまえば、この子にはもう身寄りがない。
だからこの子が1人立ちできると確信が持てるというのは、非常に大事なことなのだ。
「おじちゃん、どうしたの?」
義孫が不思議そうな顔をしながら、G.ファウストに聞いてくる。
ずっと自分のことを見つめられているのに疑問を感じたのだろう。
「いや、なんでもないさ。お前なら大丈夫だ。」
「? 変なの!」
「ははは。さて用意も終わったことだし、食べるか!」
「うん!いただきます。」
「よし、行儀正しくてよろしい。では私もいただ」
G.ファウストも「いただきます」と言おうとしたのだが、玄関の呼び鈴が鳴った。
「誰だ、こんな早朝に。先に食べててくれ。」
朝食のお預けを食らい、不満げな表情で玄関へ向かう。
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【2010/11/20 12:10 】 | 老兵の回帰
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