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「新人レイヴン同士の試合か、昔を思い出すな・・・」
アリーナの観客席でジノーヴィーはつぶやく。 この頃のジノーヴィーは、レイヴンとしてはまだ中堅レベルの実力だ。 しかし最近になってレイヴンの活躍が活発になったこの地区では、上位ランカーとしての地位を確立している。 「調子はどうかな?」 隣に座った男が話しかけてくる。 「ん?クレストの依頼仲介人さんか。この度はどうも。」 ジノーヴィーが今この席にいるのは、この仲介人の計らいだ。 「いや、礼には及ばないさ。クレスト招待枠が余ってたのでね。」 「余り物の押し付けか・・・」 ジノーヴィーの機嫌が少しだけ悪くなる。 「そういうわけじゃない。この試合に招待するに相応しいレイヴンが他にいなかったのだよ。」 「招待するに相応しい?」 「いや、これは君に話しても仕方のないことか。」 「・・・」 追求しようかとも思ったが、信頼関係に支障をきたしたくなかったので黙り込む。 「それよりだ。少し賭けをしないか?」 「賭け?」 「そう、賭けだ。」 「何を賭ける?金ならパスだ。」 「勝っても負けても、悪いようにはしないさ。君は何も出さなくていい。」 「どういうことだ?」 「君が勝った場合、君のレイヴンランクが1位になるのを約束しよう。」 レイヴンランク1位。この地区での最高の地位だ。 数多くの依頼を果たし、依頼主からの信頼も得なければ到達し得ない高み。 「私が勝った場合、君には我々の専属レイヴンになってもらおう。」 「専属だと?」 思わず聞き返す。 PR |