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【2024/11/15 07:53 】 |
P1-2つの顔
「新人レイヴン同士の試合か、昔を思い出すな・・・」
アリーナの観客席でジノーヴィーはつぶやく。
この頃のジノーヴィーは、レイヴンとしてはまだ中堅レベルの実力だ。
しかし最近になってレイヴンの活躍が活発になったこの地区では、上位ランカーとしての地位を確立している。
「調子はどうかな?」
隣に座った男が話しかけてくる。
「ん?クレストの依頼仲介人さんか。この度はどうも。」
ジノーヴィーが今この席にいるのは、この仲介人の計らいだ。
「いや、礼には及ばないさ。クレスト招待枠が余ってたのでね。」
「余り物の押し付けか・・・」
ジノーヴィーの機嫌が少しだけ悪くなる。
「そういうわけじゃない。この試合に招待するに相応しいレイヴンが他にいなかったのだよ。」
「招待するに相応しい?」
「いや、これは君に話しても仕方のないことか。」
「・・・」
追求しようかとも思ったが、信頼関係に支障をきたしたくなかったので黙り込む。
「それよりだ。少し賭けをしないか?」
「賭け?」
「そう、賭けだ。」
「何を賭ける?金ならパスだ。」
「勝っても負けても、悪いようにはしないさ。君は何も出さなくていい。」
「どういうことだ?」
「君が勝った場合、君のレイヴンランクが1位になるのを約束しよう。」
レイヴンランク1位。この地区での最高の地位だ。
数多くの依頼を果たし、依頼主からの信頼も得なければ到達し得ない高み。
「私が勝った場合、君には我々の専属レイヴンになってもらおう。」
「専属だと?」
思わず聞き返す。
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【2010/11/20 13:09 】 | 2つの顔
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