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「さて、使ってみるかなぁ。」
初期配布のライフルとブレードを機体に装備し、私はACに乗り込む。 「えーと、テストモード、テストモード・・・」 "メインシステム テストモードを起動します" 少し起動に戸惑ったが、テストモードが起動した。 重装備MT2機を相手にしたテストだ。 まだ操作に慣れていないが、とりあえずまずはブースターを吹かしながら飛び上がってみる。 「なにこれ、ふざけてるの?」 操作経験は試験で初期機体を少し使っただけだが、思わず愚痴をこぼしてしまった。 FLEETブースターなので瞬発力はあるのだが、とんでもない勢いでENが減っていき回復もとんでもなく遅い。 というか脚部が稼動状態だと全く回復しない。 機動戦主体の軽量ACにこれは酷だろう・・・ ENを回復させるために機体を休ませているとMTのバズーカが何度も当たった。 防御性能が低いのでAPがすごい勢いで減っていくが、オーバースペックなラジエーターのおかげで熱はあまりたまらない。 動いたり止まったりを繰り返しながらライフルでMTを撃っていく。 "ターゲットの消滅を確認しました システム、通常モードに移行します" PR |
「どうかしたかな?」
「私、この機体しか使っちゃいけないんですか?」 「うむ。できればそうしてほしい。」 「・・・」 私は言葉が出なかった。 確かに試作品のモニター役になるのはうれしい。 しかしEN管理などが致命的な一般的に"産廃"と呼ばれかねない機体で過ごせというのだ。 それも初期機体すらまともに扱ったことのない新米レイヴンに。(ただの新米と比べれば知識はあるが) 「この機体を使うことは、私にメリットはあるんでしょうか?」 「うーん、そうだねぇ・・・」 コーテックス職員は少し考え込む。 「この機体を使ってもらえるなら、別途に試作パーツも提供しよう。」 「ほかにも試作パーツがあるんですか?」 「武器が数点だったかな。市場には出回ってない。」 「じゃあこの機体、使います!」 "限定品"などの言葉に弱いのだ、私は。 例えそれがいずれ一般に普及するであろうものであっても。 「よし、じゃああとで追加パーツを送っておくからがんばってくれ。」 「あ、はい!」 職員がいなくなり、ガレージは私一人だけとなった。 |
「うーん。」
書類をここまで読んでみて、私は思わず声がでた。 「どうしました?」 「え?いえ、なんでも!」 「気に入ってくれたかな?」 「私なんかがこんな機体を扱っていいかわかりませんが、うれしいです。」 「そうか。何か質問は?」 「えっと、じゃあ数点ほど。」 「なんだい?」 「コアはクレストの軽量OBタイプだと見てわかるんですけど、内装は?」 「ああ、確かにその資料には書いてなかったね。」 職員はそういいながら、私にまた新しい書類を渡してきた。 「それにその機体の構成と使用条件が書いてある。」 私は書類に目を落とす。 ブースターは最高出力最高EN消費の"CBT-FLEET"。 ジェネレーターは初期標準装備で低容量低出力の"CGP-ROV6"。 使用条件は"OPパーツ、FCSと武装のみ換装可。"とある。 「なにこれ・・・」 また思わず声に出してしまった。 試作機のテスト(?)なのだから、ベースの換装を禁止するのはわかる。 でもこのブースターとジェネレーターの組み合わせは・・・ |
"CHD-GLITCH"「索敵能力と防御力を兼ねた実験型」頭部。
センサーやレーダーを完備しているのはすばらしい。 だが重量と消費ENに見合わないAPや防御の低さが気になる。 "MAL-303S"「ブレード使用時に安定した放熱率を誇る」軽量腕部。 重量と消費ENのバランスがよくブレード適正が非常に高いのが魅力。 しかし防御性能が致命的に低い・・・ "CLL-EM-070"「積載量を増加した軽量型」軽量脚部。 解説文の通り、中量二脚に迫る積載量を誇るのが特徴。 でも軽量パーツとはいえ防御性能が致命的に低く、旋回性能も低い。 "RIX-CR5000"「高性能だが極端に重い実験型」ラジエーター。 他の追随を許さない冷却性能なのだが、オーバースペックな気もする。 重量と消費ENがひどく、機体構成の足を引っ張る原因になりそうだ。 |
「試験合格おめでとう。ここが君のガレージだ。」
無事に試験を突破した私はコーテックスの職員に案内され、ガレージに案内された。 「なにこれ?」 私は思わずそう声を漏らした。 見たことのないパーツが大量についたACが目の前にあるのだ。驚かないわけがない。 「君の機体だ。」 「なんていうかその!聞いてた機体と違うんですが?」 私が聞いていたのは一般的に"初期機体"と呼ばれる安価な機体だ。 「ああ、君は試験の結果が優秀だったからね。特別にこの機体を用意させてもらった。」 このコーテックス職員の笑顔はなんだろう。 「特別な機体なんですか?」 「特別だねぇ。なんといっても、まだ市場に出回ってない試作品満載だから。」 「試作品、ですか・・・」 「君、今市場に出回ってるパーツの知識はあるかな?」 「あ、はい。大体は把握しています。」 私は非公式のACオペレーターなどを経験していたので、ACの知識は一般レイヴン程度はある。 「じゃあこれを見てほしい。」 職員は私に書類の束を渡した。 私は書類に目を通す。 書類には頭部、腕部、脚部、ラジエーターのスペックが表記されていた。 「えっと、これに書いてあるスペックがあの機体のパーツの性能なんですか?」 「そう。明記されていない部位は既存パーツだ。」 私はまた書類に目を落として情報を整理する。 |